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研究分野

生態発生適応科学専攻 :
協力教員

研究

人類進化 分野

人類進化 分野

 石器や骨角器等の遺物に残されたミクロな痕跡から、壮大な人類の進化史を研究します。ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人、ホモ・エレクトス等の人類が残した遺跡を調査研究し、人類がいかにして認知能力や道具作りの技術を発達させてきたのかを解明します。

特色・実績

 本研究室は、実験痕跡学的分析によるLaboratory Workと発掘や踏査等のField Workの双方をバランス良く行う点に特色があります。
 実験痕跡学的分析は、遺物に残された痕跡の観察から、過去の人類の活動を復元します。肉眼レベルで観察できるマクロな痕跡から、顕微鏡レベルで観察されるミクロな痕跡までを網羅的に分析し、狩猟、動物解体、皮革加工、骨角器加工等の人類行動を明らかにします。このような使用痕研究と呼ばれる研究の他、遺物の製作時に残された痕跡から、その製作方法を復元する製作技術研究も行います。また、実験痕跡学的分析は、遺跡の埋没過程で遺物に生じる痕跡を分析することで、遺跡の埋没過程を復元する遺跡形成研究にも応用できます。私たちの研究室では、デジタルマイクロスコープを使って20倍から2000倍の倍率でこれらの痕跡を分析しています。また、3Dスキャナを利用して遺物の3Dモデルを作成し、遺物の三次元での形態計測学的解析も行っています。
 フィールド調査は、特にモンゴルと琉球列島の徳之島で行っています。モンゴルでは、森林ステップ環境に立地するホモ・サピエンス遺跡の発掘調査を実施している他、ネアンデルタール人やデニソワ人の遺跡を見つけるために踏査を行っています。徳之島では、コウモリイョー遺跡という洞窟の発掘調査を進めています。発掘調査では、遺跡で行われた活動を詳細に復元するため、篩を使って大きさ5mmにも満たない小さなビーズや小動物の骨も回収しています。活動に伴って残された遺構や堆積状況を示す層序断面は、測量、写真撮影、3Dモデルで記録化しています。最近では、遺跡でサンプリングした堆積物のDNA分析を行い、遺跡を利用した人類や彼らが食べた動植物等をDNAから同定する試みも行っています。
 

ミクロレベルで観察された衝撃痕跡
 

モンゴルのフィールド調査地の景観
 
徳之島コウモリイョー遺跡

教員紹介

教授 佐野 勝宏
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人類の進化史からヒトという生物について学ぶ