機能生態 分野
植物の機能や物理化学的プロセスをもとに生態学的現象を解明することを目指しています。特に、光合成、成長、光や栄養塩などの資源獲得と利用などの植物の生理学的メカニズムに着目し、植物が環境とどのように相互作用しているかを研究しています。
研究分野
研究
植物の機能や物理化学的プロセスをもとに生態学的現象を解明することを目指しています。特に、光合成、成長、光や栄養塩などの資源獲得と利用などの植物の生理学的メカニズムに着目し、植物が環境とどのように相互作用しているかを研究しています。
分子レベルから葉、個体、群集、生態系レベルまで、幅広いスケールを扱っている点が大きな特徴です。
最近の研究は、大きく2つに分けることができます。
1つは、CO2上昇や温暖化などの地球環境変化に対して、成長や光合成など、植物の機能がどのように応答するのかを予測するための研究です。実際に植物を高CO2環境や温暖化環境で育成し、植物の機能的特性の応答を調べる実験的研究だけでなく、植物の機能をモデル化し、シミュレーションを行う理論的研究も行っています。近年は、植物機能の現状を把握するために、人工衛星やドローンなどによるリモートセンシング手法によって植物の光合成速度を推定する研究も行っています。
もう1つは、環境への適応進化に関する研究です。植物の分布は種によって大きくことなりますが、それは得意とする環境(ニッチ)が種によって異なるためです。どのようなメカニズムによって特定の環境に適応しているのでしょうか。また、種による分布の違いはどのようなメカニズムの違いによって生じているのでしょうか。私たちは、「エコタイプ」を用いた研究を行っています。広い分布域をもつ種は多いですが、同一種内でも、分布する環境によって遺伝的に性質が異なることがあります。この遺伝的な違いは、それぞれの環境への適応(局所適応)の結果生じた可能性が高いと期待できます。また、同一種内であれば、局所適応に関連した性質以外は似ていると考えられ、局所適応に関連した遺伝子や形質をあぶり出すことが、比較的容易であると期待しています。これまでに、北と南のエコタイプの比較(緯度間変異)、高標高と低標高のエコタイプの比較(標高間変異)、CO2噴出地に生育するエコタイプなど、様々な環境勾配をテーマに研究を行っています。
研究室URL | http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/hikosaka_lab/ |
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植物の光合成や物質生産がどのように決まっているのかを様々な視点から研究しています。生理学的メカニズムと進化生態学的意義の両方に興味があり、実験・野外・理論など様々な手法でアプローチしています。
最近の研究テーマは以下の通りです。