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研究分野

脳生命統御科学専攻 :
協力教員

研究

分子腫瘍学 分野

分子腫瘍学 分野

ゲノム不安定性が起こるしくみと、そのがんや老化との関連を解明する

 私たちの体には60兆個の細胞がありますが、これは1個の受精卵が分裂を繰り返してできたものです。この1つ1つの細胞には、精巧なしくみによって遺伝情報が正確に伝えられています。一方多くのがんでは染色体の異常や遺伝子の変異が見られ、これは遺伝情報を正確に伝えるしくみの異常(ゲノム不安定性)によって起こります。ゲノム不安定性はアルツハイマー病などの疾患や老化の過程でも見られることが報告されていますが、そのはっきりしたしくみはわかっていません。私たちはこのゲノム不安定性がどのようにして起こるのか、そしてそれがどのようにがんや老化と関連しているのかについて研究しています。そしてゲノムを安定に維持することによる疾患の予防や、ゲノム不安定性をターゲットとしたがん治療の開発につなげようとしています。

特色・実績

 私たちは、ヒト細胞における染色体分配の分子機構について明らかにしてきました。またこの機構の異常が、どのようにして多くのがんで見られる染色体不安定性をひき起こすのかについて調べています。さらに、染色体不安定性と老化との関連についても明らかにしようとしています。一方私たちが染色体分配に関連する分子として発見したCAMPが、最近知的障害の原因遺伝子であることがわかったため、CAMPの神経系の発達への役割についても研究しています。これらの研究は、培養細胞およびマウスを用いて、ライブセルイメージング、生化学的解析、ゲノム・エピゲノム解析などの手法を駆使して行っており、分子レベルから個体レベルまでの一貫した理解を目指しています。

 
研究室URL http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/molonc/index.html

教員紹介

教授 田中 耕三
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  • ゲノム不安定性とがん・神経疾患・老化との関連
  • 染色体分配制御の分子機構