システム神経生理学 分野
視覚動物であるヒトやサルは、感覚入力のうち約80%近くを視覚に依存しており、視覚情報を正確に取り込むため、脳は異なる5種類の眼球運動を使い分けています。視線を移動し、網膜の中心窩で視標をとらえ、そこで捉えた正確な視覚情報をもとに、脳内のどこで・どのように計算されて正確な運動出力が生成されるのか、一連の「視覚入力から眼球運動出力への脳内変換機構」について解明するべく研究に取り組んでいます。この感覚―運動情報変換は、脳の異なる領域で分散的に、しかし階層的な秩序をもって行われているとされており、そのメカニズムの解明することは、脳における情報処理機構の基本理解に繋がり、ひいては人工知能への応用や神経疾患の治療に役立つと考えています。