環境遺伝 分野
生物を取り巻く環境は,行動や生理状態,発生など様々な形質に影響します.私たちは,動物が環境情報をどのように感知し,複数の情報を統合して,最終的な表現型を決定するのか,その分子・神経メカニズムの解明を目指しています.
特色・実績
私たちの研究室では、進化生物学のモデルとして確立されてきた線虫Pristionchus pacificus を主な研究材料として用いています.P. pacificus は,発生過程の環境に応じて口腔形態や摂食様式が変化します.これまでの研究で,光環境が口腔形態の決定に関与すること,さらに線虫は他の動物とは異なる独自の光受容機構をもつことを明らかにしてきました.順遺伝学的スクリーニングやゲノム編集などの遺伝学的手法や,分子生物学,イメージング,バイオインフォマティクスなどを組み合わせることで,新たな光受容体の同定と機能検証を進めます.さらに,感覚神経から口腔の細胞へ情報が伝わる組織間作用や,可塑性を支える遺伝子発現・エピジェネティクス制御を明らかにし,環境が表現型を決める機構に迫ります.得られた知見は,環境応答の進化的理解や,新しい操作技術の開発にもつなげていきます.
教員紹介
教授 奥村 美紗子
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- 線虫における光受容機構の解明
- 光依存的な表現型可塑性の制御機構の解明
- 線虫における捕食行動の制御および進化機構の解明