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研究分野

分子化学生物学専攻 :
ケミカルバイオロジー講座

研究

生命構造化学 分野

生命構造化学 分野

複雑な構造をもつアルカロイドの画期的な全合成および機能解析
 
 自然界から得られる天然有機化合物(天然物)は、高度に進化した分子構造に基づき、極めて選択的かつ強力な生物活性を示します。そのため、天然物は歴史的に医薬品や農薬、香料など、人々の生活をより豊かにする有用物質を数多く提供してきました。一方で、天然物の中には有用な活性を持ちながらも、自然界からは極微量しか得られないために機能が十分に解明されておらず、未活用のまま埋もれている化合物が数多く存在します。医薬品開発や生命科学研究の進展には、このような天然物を実用的な化学合成によって供給することが不可欠です。
 本分野では、いまだ世界で化学合成が達成されていない、複雑かつユニークな骨格を有するアルカロイドの全合成に挑戦しています。さらに、世界中の有機合成化学者をあっと驚かせるような独創的な手法の開発を通じて、創薬研究に資する化合物の迅速かつ大量合成法の確立も目指します。加えて、天然物の構造をヒントに、天然に存在しない人工活性分子の創製も展開します。このように天然物およびオリジナル分子の化学合成を通じて、生命科学研究の発展と社会への波及効果の創出を目指しています。
 

特色・実績

 本分野は2026年4月に発足したばかりであり、現時点では研究室としての実績はまだありません。これまで所属していた徳山研究室(東北大学大学院薬学研究科)では、主に金属触媒を用いた新規反応の開発を基盤として、複雑な骨格を有するアルカロイドの全合成研究を推進してきました。特筆すべき研究成果として、世界的研究者との競合の中、世界で初めてhaplophytineの全合成を達成したことが挙げられます。本成果は、アルカロイド合成のマイルストーンとして、国内外で高く評価されています。さらに、著名なHannessian教授によって有機合成化学者が「登るべき高い山」と称され、合成最難関化合物の一つとして知られるbipleiophyllineの世界初の全合成も世界に先駆けて達成しています。このように世界初の化学合成に加え、deoxoapodine の全合成においては世界最短工程数を実現するなど、創薬研究において重要となる目的化合物の効率的な量的供給にも成功しています。
 さらに、分野や産学の枠を超えて多数のグループと共同研究を積極的に展開していました。本分野においても、これまで培ってきた有機合成技術を基盤に、創薬開発や農薬開発、生合成経路の解明、さらには病理学的機構の解明など、多岐にわたる分野との共同研究を推進していきたいと考えています。
 
研究室URL http://sasaki-umehara-lab.moon.bindcloud.jp/index.html

教員紹介

教授 植田 浩史
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・複雑な構造を有するアルカロイドの全合成と機能解析
・天然物を凌駕する人工機能性分子の開発と生命機能解明への応用
・天然物合成およびケミカルバイオロジーを指向した新規触媒反応の開発
 
助教 梅原 厚志
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天然物化学、有機合成化学