今年度の卒業生を送る送別会を行いました。

三浦君 (M2),木村君 (M2)が修士課程を修了しますので,送別会を行いました。送別会では,両名とも研究生活で得た経験を活かし,これからも頑張ると宣言されておりました。新天地でのさらなる活躍を期待しています。二人ともお疲れさまでした!

2020年度修士論文最終審査会が行われました

2月4日に修士論文審査会が行われました。共生ゲノミクス分野からは木村君と三浦君の二人が審査に臨みました。木村君は”根粒菌の共生窒素固定に必須なシグマ因子RpoH1によって制御される細胞機能の探求”,三浦君は”根粒菌の鉄硫黄タンパク質整合性におけるSufTの役割”という修士論文を発表しました。二人とも無事に発表が終わり,質疑応答でも楽しい質問やサジェスチョンがいただけて,とても有意義なものになったと思います。二人ともおつかれさまでした。

以下写真は先生からの労いケーキと発表者。

原さん博論審査会

1月29日に原沙和さんの博士論文公開審査会が行われました。博士論文のタイトルは”植物根に棲息するBradyrhizobium属細菌の生態に関する研究 -窒素循環機能と環境中の動態- “。ゲノム解析や接種試験などを駆使して,環境中でのBradyrhizobium属の多様性を明らかにし,農地における窒素循環の健全化に対するBradyrhizobium属細菌の有用性を示しました。

今回の論文審査会もオンライン開催で行われ,たくさんの方々に参加していただきました。原さんおつかれさまでした。

2020年最後の鹿島台圃場作業

東北大学鹿島台圃場にて,雪の下に埋まっているミヤコグサの採集を行いました。今回の採集をもって2020年の圃場作業は終了となります。

今年もミヤコグサをはじめ,ダイズやイネから十分にデータを集めることができました。鹿島台圃場の運営に関わった皆様,今年も一年ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いいたします。それでは皆様,よいお年を。

日本共生生物学会第4回大会で発表賞をいただきました。

当研究室所属の番場大 (博士研究員) が日本共生生物学会第4回大会 (Symbio2020)で若手発表賞をいただきました。演題は「マメ科植物-根粒菌共生関係における遺伝子型 × 遺伝子型 (G × G) 相互作用に関連する植物遺伝子座にかかる自然選択」,マメ科植物-根粒菌共生関係に関するゲノムワイド関連解析 (Genome-Wide Association Study: GWAS)を行い,特定の根粒菌依存的に生育が変化する表現型に関連する遺伝子座を特定し,その進化過程を推定した研究になります。おめでとうございます。

副賞は寄生虫のはなしという本。生物の共生関係と聞くと協力関係を思い浮かべることが多いですが,寄生関係も広い意味での共生に含まれます。双方に利益がある場合が相利共生,片方に利益がある場合は片利共生。片利共生のうち,片方に明らかな害があるときに寄生と表現されます。しかし,これらの関係は環境などによって変化する非常にあいまいなものです。このようなあいまいだけれど確かに存在する生物間相互作用がどのようにして規定されるのか,とても興味深いものです。

FEMS Microbiology Ecology誌に論文が発表されました

当研究室の番場大さん(博士研究員) の論文がFEMS Microbiology Ecology誌に出版されました。マメ科植物と根粒菌の共生関係では互いに最適な関係があまり観察されないことが知られているのですが,その理由の一つとして根粒菌が持つ共生に必要な遺伝子群が他の細菌に転移することで共生根粒菌に多様性が生まれ,互いに最適な関係として固定することが阻害される,というシナリオを提唱する論文です。

Masaru Bamba*, Seishiro Aoki, Tadashi Kajita, Hiroaki Setoguchi, Yasuyuki Watano, Shusei Sato, Takashi Tsuchimatsu*, Massive rhizobial genomic variation associated with partner quality in Lotus–Mesorhizobium symbiosis, FEMS Microbiology Ecology, fiaa202, https://doi.org/10.1093/femsec/fiaa202

鹿島台圃場でのフィールドワーク

私たちの研究室では,大崎市鹿島台にある圃場で野外実験を行っています。現在はミヤコグサ,ダイズ,イネを栽培中です。週に一度圃場に出て,メンテナンスや表現型の測定をおこなっています。多数の遺伝的に異なる系統を同時に成育させることができるので,鹿島台圃場での実験は私たちの研究の中でとても重要なものになります。

Yusdar君の博論審査会

8月12日にYusdar君の博士論文公開審査会がありました。博士論文のタイトルは”Elucidation of the molecular mechanisms for overwintering phenotype of Lotus japonicus controlled by natural variation.” マメ科植物ミヤコグサが日本に移入した後に北方環境へ適応していく過程を圃場実験やRNA発現解析などから多角的に明らかにしました。

今年の論文審査会はオンライン開催でしたが,学生から教員まで50人ほどが聞きに来てくださいまして,とても盛り上がるものでした。Yusdar君おつかれさまでした。