国立大学法人東北大学 大学院生命科学研究科(研究科長:彦坂 幸毅、本部:宮城県仙台市、以下「東北大学」)と株式会社Elix(代表取締役CEO:結城 伸哉、本社:東京都千代田区、以下「Elix」)は、AI技術の活用による創薬に向けた共同研究契約を締結しましたのでお知らせいたします。
従来の創薬プロセスは、膨大な数の候補化合物から有望なものを選び出すために多大な時間と費用を要し、さらに成功率の低さが大きな課題となってきました。こうした状況を背景に、AI技術の導入は創薬研究の効率化を可能にする革新的な手段として注目を集めています。特に、分子設計やプロパティ予測にAIを活用することで、医薬品候補をより精度高くデザインし、合成や評価の対象を効果的に絞り込むことができます。その結果、創薬の初期段階から開発全体に至るまで、スピードの向上とコスト削減が期待されています。
東北大学 大学院生命科学研究科 活性分子動態分野(https://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research/fields/laboratory.html?id=45409)は、有機化学と細胞生物学を基盤に、産業界のニーズを見据えた低分子創薬の新規手法開発、および創薬化学・ケミカルバイオロジー研究を推進しています。主に、細胞内の標的タンパク質を分解誘導する低分子PROTAC (proteolysis targeting chimera)や、任意のタンパク質を選択的に分解誘導する標的タンパク質分解 (targeted protein degradation, 以下 TPD)、に焦点を当てています。これらの研究を通じて、タンパク質とリガンドの結合様式や動的挙動を解析し、従来の薬剤では標的とすることが難しかったundruggableなタンパク質に対して、創薬の新たな戦略を提案することを目指しています。
Elix(https://www.elix-inc.com/jp)は「創薬を再考する」をミッションに掲げる日本発のAI創薬企業です。創薬にかかる膨大なコストと時間を削減し成功率を高めるため、AI・機械学習を駆使し、製薬企業・大学・研究機関・バイオベンチャーに向けて事業を展開しています。製薬企業に提供している統合型AI創薬プラットフォームElix Discovery™は、「メドケムが本当に使える」をコンセプトに開発され、直感的なGUIで予測モデルを自動構築し、多様な構造生成や高速な化合物設計を可能にします。LBDD(Ligand-Based Drug Design)とSBDD(Structure-Based Drug Design)の両手法に対応し、人間が思いつかない新規構造提案が強みです。また、Elixが保有する最新のAI創薬技術と豊富な知見・経験を融合し、革新的な医薬品候補の創出に向け、バイオベンチャーやアカデミアなどのパートナーとの協業による創薬研究を積極的に推進しています。
本共同研究では、活性分子動態分野を主宰する石川稔教授らの研究グループと共同で研究を進めます。日本におけるTPD研究の第一人者である石川教授の研究室が保有する独自技術や知見に、Elixの強みである化合物プロファイル予測AIと構造生成AIを中心とするAI創薬の技術を組み合わせ、細胞の恒常性維持に重要だと考えられる標的に作用する化合物取得を目指します。本研究で得られる化合物は、標的タンパクが果たす細胞内における機能に対して重要な示唆だけでなく、新たな創薬の可能性に関する重要な知見をもたらすことが期待されます。
Elix 代表取締役CEO 結城 伸哉からのコメント
東北大学との共同研究を通じ、Elixが保有するAI創薬技術とTPD研究をリードされている石川教授の独自技術と深い知見を融合し、これまで困難であった標的に対する新規化合物の創出を加速できることを大変嬉しく思います。弊社の強みである構造生成AIをTPDという新たなモダリティに適用することで、Elix単独では成し得ない創薬研究の新たな可能性を、東北大学と共に切り開いていけることを期待しています。
東北大学との共同研究を通じ、Elixが保有するAI創薬技術とTPD研究をリードされている石川教授の独自技術と深い知見を融合し、これまで困難であった標的に対する新規化合物の創出を加速できることを大変嬉しく思います。弊社の強みである構造生成AIをTPDという新たなモダリティに適用することで、Elix単独では成し得ない創薬研究の新たな可能性を、東北大学と共に切り開いていけることを期待しています。
東北大学 大学院生命科学研究科 活性分子動態分野 石川 稔教授からのコメント
TPD研究は世界的に注目されており、関連タンパク質に対する低分子リガンドの探索期間を短縮する方法を模索していました。ElixのAI創薬技術は、これを短縮する方法として大変魅力的であり、共同研究させて頂けることを大変嬉しく思います。この共同研究を通じてTPDに利用するリガンド探索を加速し、Elixと共にTPD研究を発展させ、難病に対する新しい治療戦略を提案できるよう努力いたします。
TPD研究は世界的に注目されており、関連タンパク質に対する低分子リガンドの探索期間を短縮する方法を模索していました。ElixのAI創薬技術は、これを短縮する方法として大変魅力的であり、共同研究させて頂けることを大変嬉しく思います。この共同研究を通じてTPDに利用するリガンド探索を加速し、Elixと共にTPD研究を発展させ、難病に対する新しい治療戦略を提案できるよう努力いたします。
本件に関するお問い合わせ先:
東北大学 大学院生命科学研究科 広報室
Tel: 022-217-6193
E-mail: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
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E-mail: lifsci-pr(at)grp.tohoku.ac.jp
株式会社Elix 広報担当
Tel: 03-5357-1880
E-mail: info(at)elix-inc.com
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E-mail: info(at)elix-inc.com