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藻類から陸上植物への進化をつなぐ車軸藻植物のゲノム配列を解読

藻類から陸上植物への進化をつなぐ車軸藻植物のゲノム配列を解読

2014.06.04 12:42

生態システム生命科学専攻 ゲノム継承システム分野

佐藤 修正

 東北大学大学院生命科学研究科の佐藤 修正(さとう しゅうせい)准教授(ゲノム継承システム分野)は、東京工業大学の太田啓之教授らのグループ、かずさDNA研究所、国立遺伝学研究所、理化学研究所、東京大学などと共同で、藻類から陸上植物に至る遺伝子の進化過程を解明しました。  

 植物の陸上への進出は、生命の進化において、陸上での十分な酸素や栄養分の提供のために必須の過程であったと考えられています。研究グループは植物が陸上に進出した初期の要因を遺伝子のレベルで明らかにし、陸上植物が地球の生態系において重要な位置を占めるようになった過程を解明することを目指しました。研究グループは藻類と陸上植物の中間的な存在である車軸藻植物門クレブソルミディウムに着目してそのゲノム解読を行い、他の藻類や陸上植物と比較を行いました。その結果、藻類から陸上植物に至る過程でどのように遺伝子が多様化したのかを明らかにし、またクレブソルミディウムの祖先が陸上環境に適応するための原始的なストレス応答システムを獲得していたことを示しました。研究グループの解読したゲノム情報は生命が陸上に進出し発展を遂げた過程を詳細に解明するための重要な基盤となります。また、クレブソルミディウムは藻類と陸上植物の中間的な性質を持つため、両方の架け橋として、その遺伝子情報を藻類の培養技術、物質生産技術に応用することも期待されます。本研究成果は、平成26年5月28日付で英国科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載されました。

プレスリリースはこちらから参照ください。

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