2021年度修士論文最終審査会が行われました

2月4日に修士論文最終審査会が行われました。共生ゲノミクス分野からは,東君と高橋君の両名が審査に臨みました。東君の修士論文は”ミヤコグサ根微生物群集に影響を与える環境要因の解析”, 高橋君は”大規模画像解析を用いた植物-環境相互作用関連遺伝子の探索”でした。発表もつつがなく終了し,質疑応答でも堂々たる姿を見せてくれました。二人ともお疲れさまでした。今回の経験が卒業後の長い人生の中で助けとなることを祈っています。

東君と高橋君,先生からのお疲れケーキを楽しみながら

東君からのコメント: 大学院から東北大に来まして,学部の時とは全く異なる微生物,および統計解析手法を経験で来て,とても刺激的な2年間でした。共生ゲノミクス分野のみなさまからのたくさんのご指導いただきまして,無事発表を迎えることができました。皆様にはこころより感謝申しあげます。

高橋君からのコメント: 学部では遺伝情報工学を学んでおり,大学院で初めて,統計学や植物化学,およびそれに伴うデータ解析を学び始めました。これらの技術や知識に習熟することができたのは,ひとえに研究室の皆様の大変丁寧なご指導の賜物です。大学院生活を通して得たもの全てを今後の人生に役立てていきたいと思っております。ありがとうございました。

2021年最後の鹿島台圃場作業

本日は2021年鹿島台圃場作業納めでした。昨年度に引き続き,イネ,ダイズ,ミヤコグサと存分にデータを取ることができました。鹿島台圃場の運営に携わった方々,大変お世話になりました。特に今年の作業の多くをポスドクの橋本さんとYusdarさんに行っていただき,お二方とも本当にお疲れさまでした。来年もまたよろしくお願いいたします。それでは,よいお年を。

鹿島台の冬の朝

横浜サイエンスフロンティア高校との合同セミナー

本日は横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校と合同で研究セミナーを行いました。サイエンスフロンティア高校より6名が自身の研究発表を行い,我々も現在進行中の最先端な研究を紹介しました。高校生の持つ自由な着眼点,自身の興味より始まる熱意,加えて高校生とは思えないほどの完成度でとても楽しいセミナーになりました。さらなる研究の発展と,今後一緒に研究をする時が来たらいいなと祈っています。

植物学会若手奨励賞をいただきました (番場さん)。

当研究室の番場さん (ポスドク) が日本植物学会より若手奨励賞をいただきました。受賞研究は”ミヤコグサ-根粒菌 共生関係の小進化過程の解明”。野生環境下で土着細菌がミヤコグサとの共生能を新規に獲得する過程,およびそれらの生態的意義を示したものになります。参考論文[1] [2]

これからの植物学へより一層の貢献が期待されますね。おめでとうございます!!

植物学会での授賞式の様子

植物微生物研究会で発表賞をいただきました (二人)

2021年9月7日より開催されていた植物微生物研究会 第30回研究交流会にて,当研究室の嵐田遥さん (D2) が学生優秀発表賞を受賞され,また東優佑くん (M2) は学生新人賞を受賞されました。ダブル受賞になります。おめでとうございます!

嵐田さんは,”細胞内共生成立後の根粒菌選別機構に関わるミヤコグサPINK4遺伝子の機能解析”というタイトルで,マメ科植物と根粒菌の共生関係における窒素固定効率の低い不良根粒菌の排除機構について口頭発表をされました。審査員からの裏話では,発表者の中でぶっちぎりの高評価だったそうです。すばらしい!

東くんの発表は,”ミヤコグサ根微生物群集の生育土壌及び生育期間の関連”というタイトルで,過去に行われた土壌環境変化処理が植物の根微生物群集にどのような影響を与えるか,またその影響が植物の生育段階によってどう異なるのかを評価した研究をポスター発表をされました。こちらは発表だけでなく,その後の質疑応答での理路整然とした説明も評価されておりました。

二人とも,おめでとうございます!今後のますますの研究の発展が期待されますね!

Madihahさん (D3) の博士論文審査会でした

8月6日に本研究室の Madihah Manggabarani さん (D3) の博士論文審査会が行われました。発表は審査員のみオンサイトでオンラインとのハイブリッド開催でした。質疑応答でも楽しい質問をたくさんいただき,今後のさらなる発展が期待されますね。

博士論文のタイトルは”Studies on the effects of genotype, environment, and their interaction (G x E) for phenotypic plasticity of soybean under field conditions” . 3年間にわたり複数の地域で100系統近いダイズを育て,表現型を経時的に観測するという大規模圃場実験を行いました。得られた表現型情報,成育環境情報,および既存のゲノム情報を統合することで,どのような遺伝的背景を持つダイズが,どのような環境でどのくらい育つのかを予測する生育モデルを作成しました。作成したモデルを用いることで,今後の環境変動に応じて適切なダイズ生育プランを作成することが可能になります。

Madihaさん,お疲れさまでした。

ISME Journal 誌に嵐田さんの論文に出版されました

当研究室の嵐田遥さん (D2) の論文がISME Journalに出版されました。マメ科植物に共生する根粒菌のゲノムは,生育に必須な領域 (コアゲノム) と共生関係の構築に必須な領域 (共生アイランド) から構成されています。根粒菌の共生アイランドには大規模な構造変化がよく観察されますが,その変異メカニズムは明らかになっていませんでした。本研究はダイズ根粒菌において,共生アイランド上に多数分布する挿入配列 (IS) の間で相同組換えが生じることで,ゲノムの欠失や重複がダイナミックに生じることを示し,またその構造変異が通常培養中に確率的に生じることを明らかにしました。このような共生アイランドの多様性創出機構は,宿主となる植物がより有用な共生者を選抜する一助となると考えられ,根粒菌を用いたマメ科作物の増収や減肥へつながるさらなる研究の発展が期待されます。

Haruka Arashida, Haruka Odake, Masayuki Sugawara, Ryota Noda, Kaori Kakizaki, Satoshi Ohkubo, Hisayuki Mitsui, Shusei Sato and Kiwamu Minamisawa. (2021) Evolution of rhizobial symbiosis islands through insertion sequence-mediated deletion and duplication. ISME J. [Link] [プレスリリース] [報道]

本日は田植え日和でした

2021年度も鹿島台圃場でお米を育てます。本年度の実験は田んぼにおけるメタン発生を抑制する微生物とイネの相互作用に着目します。メタンは温室効果ガスの一つであり,田んぼが大きな発生源であることが知られています。そこで,イネと相互作用する微生物の中でメタンを消費する微生物を活用することで温室効果ガスの削減に寄与できると考え,両者の相互作用メカニズムの解明や微生物の有効な活用方法の模索を行っています。

みんなで田植え。とってもいい天気でした。

ミヤコグサが今年も咲きました

今日は鹿島台圃場でフィールドワークを行いました。圃場で越年させたミヤコグサは今が見頃ですね。本格的に圃場作業のシーズンが始まり,来週にはイネの田植えやダイズの播種が行われます。これから暑くなりますが,良き結果が出ることを祈りつつ頑張りましょう。